14.ミニ 35周年 幻の特別限定車


MINI Hot Rod フランクフルト モーターショー

•マーズスピード ストーリー

MINI Hot Rod 
フランクフルト モーターショー

MINI Hot Rod 


ジャックナイト社とマーズスピード社の共同開発で完成したミニ・16バルブ・ツインカムヘッド・エンジンは、ロード用としても、また数々のレースでもその性能を証明した。
中でも、その性能を一番認めてくれたのはローバー社で、1993年のあるとき、ローバー社の、スモールカー部門の社長から、ミニの35周記念として、限定35台の、特別なミニを発売計画しているので協力してほしいという話を持ちかけられた。
勿論、その話を承諾すると、さっそく新車のミニ3台がローバー社よりウィンチェスターにあるマーズスピードに納車され、連日、ローバーの本社があるバーミンガムから、ミニバスで、ローバーの技術者たちがマーズスピード社まで訪れ、色々な技術的な打ち合わせ等が行われた。まず、一番の難関は、このツインカム・ヘッドは、キャブレーターに対応して設計されていたので、それをインジェクションに対応するための色々な改造だった。
試行錯誤の末、プロトタイプが完成し、3ヶ月間テストドライブされ、遂に5台のプロトタイプツインカム、ミニが出来上がり、ローバー社に収められた。
そして、いざ限定台数35台のミニの生産開始が始まろうとした直前、突然ローバーが、BMWに買収されることが決定したのである。当然のごとく、計画は白紙に戻されてしまった。


1993年のローバー買収後、BMW社は小型スポーツカーとしてのニュー・ミニの企画計画を打ち出したのに対し、ローバー社は経済的なニュー・ミニの企画を目指したが、両社の意見が対立したまま、1995年にニュー・プロジェクトが決定されたが、その後もなかなかボディワークやエンジンについての具体的な案は決められていないままだった。
そのころ、突然、英国マーズスピード社に、ローバー社を通じて、ドイツBMW社の社長から、ジャックナイト製ツインカム16バルブのヘッドと5スピード・ギアボックスを搭載した特別のミニを製作してほしいという依頼があった。
具体的にいうと、ローバー社のミニの新車1台と、特別に調合した塗料を車輌の塗装用に提供し、あと50,000ポンド当時約1,000万円)でBMW社の社長のスペックで製作してほしいということだった。
どうやら、BMW社・社長は、1993年当時に白紙のまま終わったローバー社とマーズスピード社の限定35台のスペシャル・ミニ(ミニ35周記念用)の資料を見つけとても興味を持ったらしく社長自身の特別なミニを製作したいということだった。
見積もりをしてみると、持ち込みの新車1台と塗料そして50,000ポンドといっても、それだけのスペックを取り入れるには、利益どころか、かえって損が出るくらいだったのだが、エンジニアとして是非やってみたい企画であったので引き受けることにした。
細部細部にこだわりがあったので、シートベルト1つ取っても結構な時間を要したが、ついにスペシャル・ミニが完成した。そのミニを納めた後、しばらくすると、ドイツ・フランクフルト、モーターショーのチケットの招待状が送られてきたのだ。


僕は、てっきりこのミニはBMWの社長個人が乗るものだと信じていたのだが、実はそれと同時に、その3年後つまり2000年のパリサロンで正式デビューした新型ミニの、プロトタイプ・ニュー・ミニ発表を1997年のフランクフルト、モーターショーで行うために、その一環として、マーズスピードが製作したこのスペシャル・ミニを特別展示車として使うためでもあったのだ。
このミニは、MINI HOT ROD(ミニ ホット ロッド)と名付けられ、展示場のど真ん中に、ガラス張りのケースに入れられて展示されていた。BMW社の このニュー・ミニのプロトタイプの発表は突然だったようで、なぜ正式発表する3年も前にプロトタイプを公表したのかモーター業界に疑問をもたれていたが、もしかしたらBMWの社長が自分の車を展示したかったのかもしれないのかな、とふと思う。

Mini Hot Rod Mini Hot Rod
ドイツ フランクフルト・モーターショーでガラス張りのショーケースに入れられて展示されたMINI Hot Rodと一緒に写した写真

Hot Rod Mini

MINI Hot Rod 


ジャックナイト社とマーズスピード社の共同開発で完成したミニ・16バルブ・ツインカムヘッド・エンジンは、ロード用としても、また数々のレースでもその性能を証明した。
中でも、その性能を一番認めてくれたのはローバー社で、1993年のあるとき、ローバー社の、スモールカー部門の社長から、ミニの35周記念として、限定35台の、特別なミニを発売計画しているので協力してほしいという話を持ちかけられた。
勿論、その話を承諾すると、さっそく新車のミニ3台がローバー社よりウィンチェスターにあるマーズスピードに納車され、連日、ローバーの本社があるバーミンガムから、ミニバスで、ローバーの技術者たちがマーズスピード社まで訪れ、色々な技術的な打ち合わせ等が行われた。まず、一番の難関は、このツインカム・ヘッドは、キャブレーターに対応して設計されていたので、それをインジェクションに対応するための色々な改造だった。
試行錯誤の末、プロトタイプが完成し、3ヶ月間テストドライブされ、遂に5台のプロトタイプツインカム、ミニが出来上がり、ローバー社に収められた。
そして、いざ限定台数35台のミニの生産開始が始まろうとした直前、突然ローバーが、BMWに買収されることが決定したのである。当然のごとく、計画は白紙に戻されてしまった。


1993年のローバー買収後、BMW社は小型スポーツカーとしてのニュー・ミニの企画計画を打ち出したのに対し、ローバー社は経済的なニュー・ミニの企画を目指したが、両社の意見が対立したまま、1995年にニュー・プロジェクトが決定されたが、その後もなかなかボディワークやエンジンについての具体的な案は決められていないままだった。
そのころ、突然、英国マーズスピード社に、ローバー社を通じて、ドイツBMW社の社長から、ジャックナイト製ツインカム16バルブのヘッドと5スピード・ギアボックスを搭載した特別のミニを製作してほしいという依頼があった。
具体的にいうと、ローバー社のミニの新車1台と、特別に調合した塗料を車輌の塗装用に提供し、あと50,000ポンド当時約1,000万円)でBMW社の社長のスペックで製作してほしいということだった。
どうやら、BMW社・社長は、1993年当時に白紙のまま終わったローバー社とマーズスピード社の限定35台のスペシャル・ミニ(ミニ35周記念用)の資料を見つけとても興味を持ったらしく社長自身の特別なミニを製作したいということだった。
見積もりをしてみると、持ち込みの新車1台と塗料そして50,000ポンドといっても、それだけのスペックを取り入れるには、利益どころか、かえって損が出るくらいだったのだが、エンジニアとして是非やってみたい企画であったので引き受けることにした。
細部細部にこだわりがあったので、シートベルト1つ取っても結構な時間を要したが、ついにスペシャル・ミニが完成した。そのミニを納めた後、しばらくすると、ドイツ・フランクフルト、モーターショーのチケットの招待状が送られてきたのだ。


僕は、てっきりこのミニはBMWの社長個人が乗るものだと信じていたのだが、実はそれと同時に、その3年後つまり2000年のパリサロンで正式デビューした新型ミニの、プロトタイプ・ニュー・ミニ発表を1997年のフランクフルト、モーターショーで行うために、その一環として、マーズスピードが製作したこのスペシャル・ミニを特別展示車として使うためでもあったのだ。
このミニは、MINI HOT ROD(ミニ ホット ロッド)と名付けられ、展示場のど真ん中に、ガラス張りのケースに入れられて展示されていた。BMW社の このニュー・ミニのプロトタイプの発表は突然だったようで、なぜ正式発表する3年も前にプロトタイプを公表したのかモーター業界に疑問をもたれていたが、もしかしたらBMWの社長が自分の車を展示したかったのかもしれないのかな、とふと思う。

ドイツ フランクフルト・モーターショーでガラス張りのショーケースに入れられて展示されたMINI Hot Rodと一緒に写した写真

Hot Rod Mini