本日ご紹介するのはTALA社製の計量カップ(メジャーリング・コーン)です。
まず、TALA社というのは1899年に設立されたキッチン・グッズのメーカーです。
名前の由来はとても単純で、設立者のFrederick TaylarとThomasu Lawの
二人の名前をとっています。
当時は英国のキッチン用品市場は未成熟だったようです。
それに対して、キッチン用品のセールスマンだった二人は何が求められているのかを
知っていたのでしょう。彼らの新製品は次々と大ヒットし、ブランド会社へと成長しました。
今回のメジャーリング・コーンはアイディア商品です。
日本では料理を作るとき、使う単位はミリリットルやグラムがほとんどです。
「カップ」や「合」あるいは「大さじ」とか「小さじ」という単位も使いますが、
それぞれの食材や調味料に対して、更には、使う量もきちんと考慮された上で
使う量が表示されていますので、とても便利です。
仮に、「お米何グラム」と指示されたら困りますよね?
更に、日本では単位が統一されています。
ところが、英国では未だに単位がたくさん使われています。
長さは「メートル」だけでなく「ヤード」・「インチ」・「フィート」・「マイル」。
重さは「グラム」だけでなく「オンス」・「パウンド」・「ストーン」。
体積は「リットル」ではなく「ガロン」・「オンス」・「パイント」。
(「オンス」には、重さ用と体積用の2種類があります。)
2000年からヤード・ポンド法は使用が禁止されているのですが、一向に統一される
気配はありません。子供たちに聞くと学校ではヤード・ポンド法と併せて
SI単位(メートル・グラム)も習うそうです。頭が良いのか、悪いのか。
キッチンではそこまでバラエティーに富んだ単位は使いませんが、
それでも、それぞれの食材や調味料に合わせた表示に統一されてはいません。
そこで作られたのが、このメジャーリング・コーンです。
内側には、さまざまな食材や調味料に対して、複数の単位で計れるように目盛りが引かれています。
現在でも復刻版が出るほどの人気商品です。