社長挨拶
今般、英国で設立しましたMar’s Speedの日本法人として㈱マーズスピードジャパンを立ち上げる運びとなりました。これも、皆様の日頃のご愛顧の賜物と感謝し、御礼申し上げます。
私が初めて英国の地に降り立ってから早30年以上が過ぎました。当初は、単に英語の勉強ためだけに彼の地に降り立ったつもりでしたが、英国車そして英国人の職人気質に惚れ込んだ結果、英国ウィンチェスターに居を構え、会社を設立するにまで至りました。最初は僅か3台だけの興味本位での英国車輸入でしたが、お蔭様をもちまして、順調にビジネスを成長させることができました。これも皆様のお蔭と深謝しております。
振り返ればMar’s Speedを英国で立ち上げたのは既に18年前の1988年でした。当時のMar’s Speedは、日欧貿易サービスの実質的子会社として、F1パーツのサプライヤーであったJack Knight Developmentの梃入れをするための会社に過ぎませんでした。しかし、Jack Knightとの技術提携を進めた結果、5MTギヤ・ボックスやJack Knight Twincam、そして最終的にはドイツ・フランクフルトや英国アールズ・コートショーなどでも展示されたMini Hot Rodを製作するにまで至りました。
残念ながら、Jack Knight Development自体は不正経理や、それに続く詐欺まがいの乗っ取りで既に有名無実の会社になっております。しかし、会社の提携を危機的な状況になる前に解消し、また優秀な技術者や設計を確保することにより、Jack Knightを実質的な本体とした新たな会社をMar’s Speedグループの一員として設立することに成功しております。
今回のMar’s Speed Japanは、このように英国でこれまで築き上げた技術・ノウハウを日本のお客様に直接お届けできるよう立ち上げたものです。
英国に本社を置いているメリットは、質の良いコレクタブル・カーのフル・レストアが英国のみで可能なことや、日本国内にも腕の良いメカニックは大勢いるにもかかわらず、車輌本体あるいは部品の限界があるため、まだ質の良いボディーやパーツが残されている英国での柔軟なレストアが可能なだということなどの点で、 今後、皆様をお客様としてお迎えするにあたって、その長所を最大限に活かしていくことが出来たらと考える所存です。英国では、当社が、長年、取引している優秀な業者が数多くあり、日本国内では難しいレストアも、迅速に且つ価格的にもご満足いただける形でご提供できる自信がございます。
また、マーズ・スピード・ジャパンでは今回の日本法人設立にあたり、アンティーク事業と英会話スクール事業を立ち上げることとなりました。つきましては、この2事業のご紹介をさせていただきます。
まずアンティーク事業に関してですが、自動車の買付には英国をくまなく走り回ります。この際、英国に多数あるアンティーク・ショップも一緒に巡ると、掘り出し物を見つけられることが良くあります。しかし、だからといって買付だけが目的ならば採算をとることはできない程度なのですが、Mar’s Speedには英国、日本双方に倉庫があります。このため短期の買付に走る必要はなく、時間にとらわれず常に掘り出し物のみを買付けることができるメリットがあります。また、日本への輸送もまとめてできることから経費を大幅に削減することが可能です。今回の日本法人設立にあたっては、腕の良い英国人のレストア職人を日本に派遣しており、常に最良の状態で商品をお出ししております。英国車だけでなく、英国のライフ・スタイルをお求めのお客様には、きっとご満足いただけるものと確信しております。
次に英会話学校ですが、これまでもMar’s Speedには日本のお客様からは英国にある語学学校のお問い合わせを、逆に英国の語学学校からは日本人学生紹介の問い合わせを多数、いただいておりました。そこで、今回、色々な語学学校について調査し検討した結果、自信を持ってお奨めできる学校を見つけることができましたので、語学学校の仲介業務も行うことといたしました。学校は英国南西部にあるウィンチェスター(2006年度「英国のベスト・タウンNO1」に選ばれました)にある、Winchester School of English。 ブリティッシュ・カウンシル公認校の語学学校で、「少人数のクラスでアットホーム的な雰囲気の中でしっかりと語学力を身につけてもらえるよう、最善の努力を心がけている」という経営者のコメント通り、同じ言語を話す国籍は全体の学校内で10人以下に保たれています。
このようにマーズ・スピード・ジャパンでは、単に英国車だけでなく、アンティーク、ティー・ルーム、そして語学学校といった、英国のライフ・スタイルもご提案して参ります。
ビジネスの経験自体は長いと自負しておりますが、このような試みは初めてで、何かと不慣れなこともあろうかと思います。皆様からのご指導、ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
敬具
2006年5月吉日
マーズ・スピード・グループ 代表 久保川 政次