ロンドン・タクシー


ロンドン・タクシー

伝統と革新が調和した街、ロンドンの乗り物といえば ダブルデッカー・バス(Double Decker Bus),ブラック・キャブ(Black Cab)と呼ばれるロンドン・タクシー(London Taxi)、チューブ(Tube)と呼ばれる地下鉄などが有名です。

ロンドン名物のひとつである“ブラック・キャブ”についての記事をまとめました。

2007/08/09

ロンドン・タクシー

ロンドン・タクシー

ロンドン・タクシー・ドライバー

ロンドン名物のひとつである“ブラック・キャブ”。ロンドンの通りには、全て名前があり、どんなに小さい行き止まりの道にも、名前があります。全部で2~3万もの通り名があるロンドンで、“ブラック・キャブ”のドライバーに行き先を言えば、「どこらへんですか?」などという、やぼな質問は100%返ってくることはありません。確実に、目的地に連れて行ってくれます。ブラック・キャブのドライバーになるためには資格が必要で、その試験は大変厳しく、まず筆記試験で合格後、資格を持ったロンドンの審査官によって1対1の口頭試験に合格しなければなりません。その試験に合格するためには、ロンドン・タクシー・スクールで平均3年と9ヶ月の勉強が必要だと言われているくらいです。


ライセンスには2種類あります。ロンドン全域に対するライセンスと、ロンドン郊外16区域のライセンスです。ロンドン全域に対するライセンスの場合は、チャーリング・クロス駅から6マイル(9.6km)圏内の約25,000あるストリートについての知識が、幹線ルート同様に必要です。また、ヒースロー空港のタクシー運転手は、ロンドン全域に対するライセンスが必要です。一方、ロンドン郊外のライセンスの場合、16区域中の1区域のみを選んだ場合には、その選んだ地域についての知識がロンドン中心部についての知識よりも豊富でなければなりません。
というわけでブラック・キャブの運転手は、ロンドン市内なら全ての「通りの名前」と「場所」を把握しており、プロとしての高い誇りをもっているため、世界一のタクシーとして有名なのです。

ブラック・キャブの乗り方

路上ならば空車(黄色のランプが点いている)を見つけて、日本と同様に手を上げて止めれば良いです。大きな駅や空港ならば、タクシー乗り場の行列の後ろについて並びます(並ぶことを英語ではQue:キューといいます)。乗り込む前に、タクシーの助手席から窓を開け、ドライバーに行き先を告げます。基本的に乗車拒否はほとんどないはずです。なぜなら、乗客の行き先がロンドン中心街・グレート・ロンドン(郊外の16区域)内・メトロポリス(都市警察)の管轄区内で、乗車地から目的地まで12マイル(約19.2キロ)以内(ただし、ヒースロー・ロンドン中心部間の場合は20マイル=32キロ以内)、あるいは1時間以内の距離であれば、ドライバーは妥当な理由がない限り、乗車拒否をしてはいけないことになっているからです。ドライバーのOKが出れば、自分でドアを開けて乗り込みます。日本のように自動ドアではありませんので、料金も交渉することもできます。
目的地に到着したら、まずタクシーを降りて助手席の窓から運賃を支払います。というのも、運転席と後部座席には仕切りがあるためです。また、助手席は予備の荷物置き場なので、基本的に乗車できないのです。なお、サービスによっては運賃に10%程度のチップを渡したら喜ばれます。

ブラックだけではなくなったブラック・キャブ

1980年代の初めくらいまででしょうか、ロンドン・タクシーのボディ・カラーは黒一色で統一されており、一切の広告は許可されていませんでした。しかし、経済情勢や競争が激しい時代に生き残るため、色々なカラーリングの広告つきの車輌が許可されるようになりました。その結果、徐々にカラフルなタクシーがお目見えするようになりましたが、それでも、呼び名は“ブラック・キャブ”のままです。2002年のエリザベス女王のゴールデン・ジュビリー(即位50年記念)の際には、50台、金色のタクシーが生産されました。

ミニ・キャブ

ブラック・キャブ以外の一般のタクシーはミニ・キャブと呼ばれるています。ロンドン以外の地方では、主流のタクシーです。ロンドンにもミニ・キャブはありますが、法律では路上で客を拾うことを禁じられているので、電話して呼ぶか、ホテルやレストランなどに呼んでもらうか、あるいは駅前などにあるミニ・キャブの窓口で呼ぶことになります。
ミニ・キャブには料金のメーターが付いていません。このため、電話予約の際に、あるいは乗車前に、行き先を告げ、料金を確認してから利用します。料金は、ブラック・キャブに比べると、3分の2くらいでしょうか。半額以下の場合もあるようですし、交渉次第では、まだ安くなる可能性はあります。
私は、ウィンチェスターからヒースロー空港へ往復する際には、大体ミニ・キャブを利用します。地方の場合だと、比較的、良心的だと思います。一方、ロンドン市内に関しては、評判の良いところを選ぶことが大事です。なお、ミニ・キャブは、流しなど街角で客を拾う行為は違法です。そのような行為をするミニ・キャブは信用しないほうが良いでしょう。

ブラック・キャブとミニ・キャブ、どちらが得?

さて、実際にロンドンでタクシーに乗るとしたら、ブラック・キャブとミニ・キャブのどちらを選ぶべきでしょうか。
ロンドンの道路は中心部から放射線状に伸びていて、とても複雑です。にもかかわらず、ブラック・キャブのドライバーは、ロンドン市内ならどんな場所でも確実に最短距離で目的地に到着できます。ですから、安心・確実を求めたいのならブラック・キャブを選ぶべきです。一方、ミニ・キャブの場合、そこまでの要求はできません。その分安いわけですが、ロンドンの複雑な場所へ行きたい場合は何度も迷いながら行く可能性もあります。その結果、必ずしも安くなるとは限りませんし、時間もかかってしまうことも考えられます。有名な場所ならば迷うこともないでしょうし、値段も交渉次第で下がりますから、結論としては状況次第ということになってしまいます。なお、ブラック・キャブは、ロンドンでのみ走っているように思われがちですが、ロンドン以外の都市でも走っています

ロンドン・タクシー

伝統と革新が調和した街、ロンドンの乗り物といえば ダブルデッカー・バス(Double Decker Bus),ブラック・キャブ(Black Cab)と呼ばれるロンドン・タクシー(London Taxi)、チューブ(Tube)と呼ばれる地下鉄などが有名です。

ロンドン名物のひとつである“ブラック・キャブ”についての記事をまとめました。

2007/08/09


ロンドン・タクシー・ドライバー

ロンドン名物のひとつである“ブラック・キャブ”。ロンドンの通りには、全て名前があり、どんなに小さい行き止まりの道にも、名前があります。全部で2~3万もの通り名があるロンドンで、“ブラック・キャブ”のドライバーに行き先を言えば、「どこらへんですか?」などという、やぼな質問は100%返ってくることはありません。確実に、目的地に連れて行ってくれます。ブラック・キャブのドライバーになるためには資格が必要で、その試験は大変厳しく、まず筆記試験で合格後、資格を持ったロンドンの審査官によって1対1の口頭試験に合格しなければなりません。その試験に合格するためには、ロンドン・タクシー・スクールで平均3年と9ヶ月の勉強が必要だと言われているくらいです。


ライセンスには2種類あります。ロンドン全域に対するライセンスと、ロンドン郊外16区域のライセンスです。ロンドン全域に対するライセンスの場合は、チャーリング・クロス駅から6マイル(9.6km)圏内の約25,000あるストリートについての知識が、幹線ルート同様に必要です。また、ヒースロー空港のタクシー運転手は、ロンドン全域に対するライセンスが必要です。一方、ロンドン郊外のライセンスの場合、16区域中の1区域のみを選んだ場合には、その選んだ地域についての知識がロンドン中心部についての知識よりも豊富でなければなりません。
というわけでブラック・キャブの運転手は、ロンドン市内なら全ての「通りの名前」と「場所」を把握しており、プロとしての高い誇りをもっているため、世界一のタクシーとして有名なのです。


ブラック・キャブの乗り方

路上ならば空車(黄色のランプが点いている)を見つけて、日本と同様に手を上げて止めれば良いです。大きな駅や空港ならば、タクシー乗り場の行列の後ろについて並びます(並ぶことを英語ではQue:キューといいます)。乗り込む前に、タクシーの助手席から窓を開け、ドライバーに行き先を告げます。基本的に乗車拒否はほとんどないはずです。なぜなら、乗客の行き先がロンドン中心街・グレート・ロンドン(郊外の16区域)内・メトロポリス(都市警察)の管轄区内で、乗車地から目的地まで12マイル(約19.2キロ)以内(ただし、ヒースロー・ロンドン中心部間の場合は20マイル=32キロ以内)、あるいは1時間以内の距離であれば、ドライバーは妥当な理由がない限り、乗車拒否をしてはいけないことになっているからです。ドライバーのOKが出れば、自分でドアを開けて乗り込みます。日本のように自動ドアではありませんので、料金も交渉することもできます。
目的地に到着したら、まずタクシーを降りて助手席の窓から運賃を支払います。というのも、運転席と後部座席には仕切りがあるためです。また、助手席は予備の荷物置き場なので、基本的に乗車できないのです。なお、サービスによっては運賃に10%程度のチップを渡したら喜ばれます。


ブラックだけではなくなったブラック・キャブ

1980年代の初めくらいまででしょうか、ロンドン・タクシーのボディ・カラーは黒一色で統一されており、一切の広告は許可されていませんでした。しかし、経済情勢や競争が激しい時代に生き残るため、色々なカラーリングの広告つきの車輌が許可されるようになりました。その結果、徐々にカラフルなタクシーがお目見えするようになりましたが、それでも、呼び名は“ブラック・キャブ”のままです。2002年のエリザベス女王のゴールデン・ジュビリー(即位50年記念)の際には、50台、金色のタクシーが生産されました。


ミニ・キャブ

ブラック・キャブ以外の一般のタクシーはミニ・キャブと呼ばれるています。ロンドン以外の地方では、主流のタクシーです。ロンドンにもミニ・キャブはありますが、法律では路上で客を拾うことを禁じられているので、電話して呼ぶか、ホテルやレストランなどに呼んでもらうか、あるいは駅前などにあるミニ・キャブの窓口で呼ぶことになります。
ミニ・キャブには料金のメーターが付いていません。このため、電話予約の際に、あるいは乗車前に、行き先を告げ、料金を確認してから利用します。料金は、ブラック・キャブに比べると、3分の2くらいでしょうか。半額以下の場合もあるようですし、交渉次第では、まだ安くなる可能性はあります。
私は、ウィンチェスターからヒースロー空港へ往復する際には、大体ミニ・キャブを利用します。地方の場合だと、比較的、良心的だと思います。一方、ロンドン市内に関しては、評判の良いところを選ぶことが大事です。なお、ミニ・キャブは、流しなど街角で客を拾う行為は違法です。そのような行為をするミニ・キャブは信用しないほうが良いでしょう。

ブラック・キャブとミニ・キャブ、どちらが得?

さて、実際にロンドンでタクシーに乗るとしたら、ブラック・キャブとミニ・キャブのどちらを選ぶべきでしょうか。
ロンドンの道路は中心部から放射線状に伸びて


いて、とても複雑です。にもかかわらず、ブラック・キャブのドライバーは、ロンドン市内ならどんな場所でも確実に最短距離で目的地に到着できます。ですから、安心・確実を求めたいのならブラック・キャブを選ぶべきです。一方、ミニ・キャブの場合、そこまでの要求はできません。その分安いわけですが、ロンドンの複雑な場所へ行きたい場合は何度も迷いながら行く可能性もあります。その結果、必ずしも安くなるとは限りませんし、時間もかかってしまうことも考えられます。有名な場所ならば迷うこともないでしょうし、値段も交渉次第で下がりますから、結論としては状況次第ということになってしまいます。なお、ブラック・キャブは、ロンドンでのみ走っているように思われがちですが、ロンドン以外の都市でも走っています