ジェイミー・オリバー の スクール・ディナー(学校給食)


ジェイミー・オリバーのスクール・ディナー

 

この弱冠31歳の英国若手シェフ ジェイミー・オリバーが 国を動かし 国家予算を変え MBE(大英帝国勲章)まで与えられた。

2007/02/17 投稿記事

英国の教育制度 ③ 私立学校

Jamie’s School Dinners (2005)/ジェイミーズ スクール・ディナー


英国人セレブリティ・シェフ ジェイミー・オリバーが、グリニッジにあるKidbrooke Schoolという小学校に乗り込んで 自然食品で作った給食を子供たちに食べさせようと 給食の改革に挑んだ チャンネル4(英国)で2005年2月23日から3月16日まで4回のシリーズで放映されたドキュメンタリー番組

まず ジェイミーは この学校給食の改善のために 今までの自分の仕事を減らすことからはじめた。
ジェイミーが挑戦したロンドン・グリニッジにある最初の学校は バイキング方式だが 選べる野菜はグリンピースだけで 後は、チップス(フライドポテト)、ピザ、ハンバーガーや スマイルポテト(*下の写真:スマイルに型抜いたマッシュポテトを揚げたもの)を食べた後は チョコレート。
大人だけでなく子供も肥満病気になるのが納得させられるような食事内容。

そこでジェイミーはまず学校の一見怖そうな料理長であるノーラ・サンズと衝突することになる。
始めに直面した問題は 英国政府が一人の子供当たりの給食に費やす予算は37ペンス(75円ほど)という刑務所以下の水準の予算、 次に 子供達は冷凍食品などの調理済みの食品やチップス(フライドポテト)に慣れきっていたこと。
そのため 学校給食からそれらを取り除こうとしたときに 子供達からの猛反発にあってしまった。
第三に ジェイミーの自由な発想や食材を使った型にはまらないアイディアは ディナー・レディ(給食のおばさん)を仰天させ そのことは 彼女らディナー・レディたちの作業分担を大幅に増やすことになり 割り当てられた予算を大幅に上回ることになった。

ディナー・レディたちは 調理というとせいぜい冷凍食品などの加工済み食品をフライヤーで揚げるかオーブンで暖めるしか知らず パスタの作り方も知らない。(以前 私の友人も ショッピングに出かける前にパスタを茹で始めたので なぜか聞くと 「帰宅したらすぐ食べれるから」と言う答えだったが 勿論 ふやけたうどんのようなり食べれたものではなかった。) 
子供たちは野菜を見せても名前がわからないし 食べさせれば吐いてしまう始末。

母親と買い物に行っても冷凍食品や缶詰にお菓子ばかりで そういうものに慣れきってしまっている子供にとってはチップス(フライドポテト)の方が好きに決まっていて せっかく作った手作り料理はゴミ箱の中のごみの山となってしまった。

ジェイミーにとっては 悔しかったにちがいなく 「ちくしょう」の連発だったけれどあきらめなかった。実際のところ 子供達が好きな食べ物は 添加物や着色料が多く含まれ すぐ切れてしまう子や落ち着きのない子を作り出している。
(事実 英国では Eナンバーとよばれる着色料を使った食べ物を避けて 選ぶよう指導されている) 

子供の便秘や消化器系の病気の問題もかなり多く 中には 朝から炭酸飲料とチョコバー、ランチは チョコレート・ペーストを塗ったサンドイッチにクリスプス(ポテトチップス)にコーラ、夕食は缶詰スパゲティー(缶の周りについている紙は子供に人気のキャラクター)を蓋だけ取って 子供に与えている親も少なくはない。

長い間ディナー・レディのノーラは冷凍食品などのジャンクフードを出すだけだったので その体制をなかなか変えることもできず またジェイミーの案も受け入れられない。

二人は しばしば料理法から 作業分担までことごとく衝突した。 
ジェイミーはお互いの職場を交代してみるなど色々アイデアを考え、けんかになるまでぶつかりあった結果  徐々に彼女は変わっていき とうとうジャンクフードをやめるという決断をした。
その後は ノーラは このシリーズやキャンペーンを通して ジェイミーの片腕となり  最も熱心なジェイミーの支持者となった。

今まで見向きもされなかった野菜の入った給食も 子供達に段々と受け入れられ 効果も出てきた。食事が変わってからは、午後の授業でハイ・テンパー(落ち着きが無くなり興奮しやすい)な子供たちが ちゃんとみんな授業を聞いている。

その後 ジェイミーは 英国の地方都市Durham(ダーラム)が英国中の数々の学校の中でも 健康について一番問題のある都市ということが 統計的にわかったため そこのPeterleeという町の小学校を訪ねた。

そこでジェイミーは 問題の根底は 家庭で食べている食事のあり方に問題があると気づき 一人の男の子の家庭を訪問して より健康的な手作りのメニューを1週間試すことを その家族に説得した。

その後 グリニッジに戻ったジェイミーは 子供達の 彼の作った新しいメニューに対してのボイコットに遭遇した。そこで 彼は 教材のキットを考え出し 子供達を採用して 彼らをキッチンで働かせることにした。この実習で チキン・ナゲットを作るには どんなものが入るのか また 野菜の見分け方などを 子供達に教えた。

この給食改革を始めたとき 調理器具や食費の問題、スタッフの低賃金などの問題にぶつかり 政府の資金援助を求めるために ジェイミーは 「Feed Me Better」キャンペーンを始めたのだが そのキャンペーンも だんだん一般の支持を受け その勢いも増して 最終的には271677の署名を集め その要望書は2005年3月30日 英国首相官邸のある10 Downing Streetに配達された。
ついには 英国首相であるTony Blair(トニー ブレア)は 早急に 給食改善を行うことを約束し、 政府は給食の改善に約280億ポンドの予算を計上することとなった。.

*スマイル・ポテト 冷凍チップス 缶入りビーンズ
スマイル・ポテト 冷凍チップス 缶入りビーンズ
冷凍マッシュド・ポテト  缶入りスパゲティ   缶入りスパゲティ 
冷凍マッシュド・ポテト 缶入りスパゲティ  
 
缶入りスパゲティ  
 

ジェイミー・オリバーのスクール・ディナー

英国の教育制度 ③ 私立学校

2007/02/17 投稿記事

この弱冠31歳の英国若手シェフ ジェイミー・オリバーが 国を動かし 国家予算を変え MBE(大英帝国勲章)まで与えられた。


Jamie’s School Dinners (2005)/ジェイミーズ スクール・ディナー

英国人セレブリティ・シェフ ジェイミー・オリバーが、グリニッジにあるKidbrooke Schoolという小学校に乗り込んで 自然食品で作った給食を子供たちに食べさせようと 給食の改革に挑んだ チャンネル4(英国)で2005年2月23日から3月16日まで4回のシリーズで放映されたドキュメンタリー番組


まず ジェイミーは この学校給食の改善のために 今までの自分の仕事を減らすことからはじめた。
ジェイミーが挑戦したロンドン・グリニッジにある最初の学校は バイキング方式だが 選べる野菜はグリンピースだけで 後は、チップス(フライドポテト)、ピザ、ハンバーガーや スマイルポテト(*下の写真:スマイルに型抜いたマッシュポテトを揚げたもの)を食べた後は チョコレート。
大人だけでなく子供も肥満病気になるのが納得させられるような食事内容。

そこでジェイミーはまず学校の一見怖そうな料理長であるノーラ・サンズと衝突することになる。
始めに直面した問題は 英国政府が一人の子供当たりの給食に費やす予算は37ペンス(75円ほど)という刑務所以下の水準の予算、 次に 子供達は冷凍食品などの調理済みの食品やチップス(フライドポテト)に慣れきっていたこと。
そのため 学校給食からそれらを取り除こうとしたときに 子供達からの猛反発にあってしまった。
第三に ジェイミーの自由な発想や食材を使った型にはまらないアイディアは ディナー・レディ(給食のおばさん)を仰天させ そのことは 彼女らディナー・レディたちの作業分担を大幅に増やすことになり 割り当てられた予算を大幅に上回ることになった。

ディナー・レディたちは 調理というとせいぜい冷凍食品などの加工済み食品をフライヤーで揚げるかオーブンで暖めるしか知らず パスタの作り方も知らない。(以前 私の友人も ショッピングに出かける前にパスタを茹で始めたので なぜか聞くと 「帰宅したらすぐ食べれるから」と言う答えだったが 勿論 ふやけたうどんのようなり食べれたものではなかった。) 
子供たちは野菜を見せても名前がわからないし 食べさせれば吐いてしまう始末。

母親と買い物に行っても冷凍食品や缶詰にお菓子ばかりで そういうものに慣れきってしまっている子供にとってはチップス(フライドポテト)の方が好きに決まっていて せっかく作った手作り料理はゴミ箱の中のごみの山となってしまった。

ジェイミーにとっては 悔しかったにちがいなく 「ちくしょう」の連発だったけれどあきらめなかった。実際のところ 子供達が好きな食べ物は 添加物や着色料が多く含まれ すぐ切れてしまう子や落ち着きのない子を作り出している。
(事実 英国では Eナンバーとよばれる着色料を使った食べ物を避けて 選ぶよう指導されている) 

子供の便秘や消化器系の病気の問題もかなり多く 中には 朝から炭酸飲料とチョコバー、ランチは チョコレート・ペーストを塗ったサンドイッチにクリスプス(ポテトチップス)にコーラ、夕食は缶詰スパゲティー(缶の周りについている紙は子供に人気のキャラクター)を蓋だけ取って 子供に与えている親も少なくはない。

長い間ディナー・レディのノーラは冷凍食品などのジャンクフードを出すだけだったので その体制をなかなか変えることもできず またジェイミーの案も受け入れられない。

二人は しばしば料理法から 作業分担までことごとく衝突した。 
ジェイミーはお互いの職場を交代してみるなど色々アイデアを考え、けんかになるまでぶつかりあった結果  徐々に彼女は変わっていき とうとうジャンクフードをやめるという決断をした。
その後は ノーラは このシリーズやキャンペーンを通して ジェイミーの片腕となり  最も熱心なジェイミーの支持者となった。

今まで見向きもされなかった野菜の入った給食も 子供達に段々と受け入れられ 効果も出てきた。食事が変わってからは、午後の授業でハイ・テンパー(落ち着きが無くなり興奮しやすい)な子供たちが ちゃんとみんな授業を聞いている。

その後 ジェイミーは 英国の地方都市Durham(ダーラム)が英国中の数々の学校の中でも 健康について一番問題のある都市ということが 統計的にわかったため そこのPeterleeという町の小学校を訪ねた。

そこでジェイミーは 問題の根底は 家庭で食べている食事のあり方に問題があると気づき 一人の男の子の家庭を訪問して より健康的な手作りのメニューを1週間試すことを その家族に説得した。

その後 グリニッジに戻ったジェイミーは 子供達の 彼の作った新しいメニューに対してのボイコットに遭遇した。そこで 彼は 教材のキットを考え出し 子供達を採用して 彼らをキッチンで働かせることにした。この実習で チキン・ナゲットを作るには どんなものが入るのか また 野菜の見分け方などを 子供達に教えた。

この給食改革を始めたとき 調理器具や食費の問題、スタッフの低賃金などの問題にぶつかり 政府の資金援助を求めるために ジェイミーは 「Feed Me Better」キャンペーンを始めたのだが そのキャンペーンも だんだん一般の支持を受け その勢いも増して 最終的には271677の署名を集め その要望書は2005年3月30日 英国首相官邸のある10 Downing Streetに配達された。
ついには 英国首相であるTony Blair(トニー ブレア)は 早急に 給食改善を行うことを約束し、 政府は給食の改善に約280億ポンドの予算を計上することとなった。.

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