新しい商品の入庫処理の時、商品名をどうしたものかと迷う時があります。
普通の商品ならば、メーカーが付けた商品名をそのまま付ければ良いのですが
アンティーク一点モノだと、そういかないことも多々あります。
例えば、サイドボードとドレッサー。
典型的なスタイルだと間違いようがないですよね。
左がサイドボード、右がドレッサーです
サイドボードは「収納も兼ねた飾り台」的な位置づけになりますし、
ドレッサーは「身支度用のテーブル」という位置づけになろうかと思います。
ところが、判断するのが難しい代物が18世紀以降に出て来ます。まず、18世紀の初めになると、鏡台付きの小型衣装箪笥が英米の市民階級で流行します。基本的には寝室用で実用性重視なので、お客様に見せるためのものではなく、装飾があっても落ち着いた雰囲気のものでした。ですので、大きさや収納の能力的にはサイドボードに近いのですが、機能的にはドレッサーというべきでしょう。
そして、18世紀の後半になると、シフォニア(chiffonier)というスタイルの家具が英仏を中心に流行り始めます。基本的には大型のドレッサーと言いますか、鏡台付きの比較的大きな整理箪笥です。どうやら裁縫の道具・材料を収納するのが目的だったようで、引き出しだけではなく開きのタイプもあります。しかし、シフォニアとミラーバックのサイドボードと何が違うのか、と問われるとなかなか難しいです。曖昧な話で申し訳ないのですが、サイドボードの方が横方向に長くて、モノの陳列用という感じです。
そうなると、恐らくこれは、サイドボードになろうかと思います。
また、下の商品はシフォニアに近い感じもしますが、用途としては陳列メインで、しかも、右下の開きはブリキ板で防水になった酒瓶引き出し付きですので、やはりサイドボードと言うべきなのだろうと思います。