ロンドン・ブライトン・ベテラン・カー・ラン　2

London Brighton Run　(ロンドン～ブライトン・ラン）と呼ばれる自動車の走行会は　 世界から約500台の車が集まる大イベントです。

2007/10/19

英国では　それら１９０４年末までに作られた最古の車たちのことを“ベテラン・カー（または、パイオニア・カー）”、それ以降１９３０年末までに作られた車を“ヴィンテージ・カー”と呼び分けます。

なぜ　気候の良い夏ではなく　November Fog（ノーヴェンバー・フォグ）と呼ばれるくらい霧の深い１１月に開催されるのでしょうか？

それは１８９６年にさかのぼることになります。
１８６５年から続いていた小型蒸気自動車とガソリン自動車の走行を規制していた‘Red Flag Act’という法律が　１８９６年１１月１４日に廃止されたのです。
‘Red Flag Act’とは車両の最高速度を、郊外で時速４マイル（6.4Km/h）、市街地でその半分の時速２マイル（3.2Km/h）の低速度に押さえ、さらに各車両の前を、赤い旗を持った人間が歩いて先導することが義務付けられていた法律でしたが　この法律により英国は自動車産業の発展から取り残されることになってしまったのです。

しかし19世紀末にもなると、ドイツ・フランスをはじめとする諸外国で急成長しつつあった自動車産業にあせりを感じた英国は　１８９６年１１月１４日、この法律を廃止し、　その日が　“a red-letter day in the history of British motoring”　「英国自動車史上の祝日」と呼ばれるようになったのです。

そして１９０３年に　自動車法(Motor Car Act)が作られ、　１９０４年に　最高時速32kmにまで緩和され　警笛とナンバープレート(自動車標板)も義務づけられるようになり　それが英国におけるナンバー・プレートの始まりとなりました。

この日を記念したイベントが、今や世界中で有名な“London Brighton Runロンドン～ブライトン　ラン”の始まりです。