ミニ モーク (1964~1968 )
モークはミニをベースに開発された軍用車輌の落とし子でした.最終的なネックはロード・クリアランス(車高)の問題で, 軍用車輌には不向きと判断され,民生用に販売されたのですが,そもそも,何故ミニが軍用車輌なんぞに,という疑問が湧きませんか?
第二次世界大戦の連合国軍の将軍で,後の合衆国大統領アイゼンハワーは,連合国軍を勝利に導いた兵器として,原子爆弾,バズーカ,C-41輸送機,そしてジープを挙げています.なぜなら,第二次世界大戦は機動力の戦いだったからです.そこで活躍したのが,悪路でも走行可能で登坂能力も高いジープでした.一方,第二次世界大戦以来,最も機動力を必要とするのが空挺師団です.敵地に逸早くパラシュートで進入し,敵を攪乱・橋頭堡を築く精鋭部隊ですが,兵士はもちろん,武器・弾薬,果ては戦車まで,何から何までパラシュートで降ろします.でも,飛行機で運ぶとしたら小さいに越したことはありません.そして,ジープは必須アイテムです.もうお分かりでしょう?
モークは小型のジープを狙って開発されたのです.そうなると,4WDが求められるのですが,信じられないことに,それも作られていました.前後にエンジンを積んだ4WDです.ただ,やはりロード・クリアランスの問題は解決できませんでした.
そこで,結局は民生用に開発されることになるのですが,それでも英国では天候の問題があり,販売期間は1964年から約4年間だけでした.しかし,オーストラリアとポルトガルでは事情が違います.オーストラリアでは1981年まで販売され,排気量も998cc,1098,1275ccのモデルがありました.また,ポルトガルでは後を引き継ぐように1983年から1992年まで販売されました.
エンジン | 848cc 4気筒 OHV |
ボア径/ストローク | 62.94 x 68.26mm |
圧縮比 | 0.335428241 |
出力 | 34馬力 at 5,500rpm |
トルク | 44 ポンドフィート at 2,900rpm |
燃料タンク容量 | 6.25ガロン (28 L) |
全長 | 120インチ (3,048mm) |
全幅 | 51.5インチ (1,308mm) |
全高 | 56インチ (1,422mm) |
ホイールベース | 79.9インチ (2,029mm) |
重量 | 1,176 ポンド (534kg) |
サスペンション | 独立(ドライ・ラバー・コーン) |
トラック(前) | 47.45インチ (1,205mm) |
トラック(後) | 45.85インチ (1,165mm) |
ステアリング | ラック&ピニオン |
ブレーキ | ドラム/ドラム |
ホイール | 3.5 x 10インチ 圧延鋼 |
タイヤ | 5.20 x 10インチ Dunlop C41 cross-ply |
トランスミッション | ギヤ比: 4速 3.44, 3速 4.86, 2速 7.47, 1速 12.48 |