10月に入ると英国の大型スーパーでは、巨大なカボチャが山積みになって店頭に並びはじめます。でも、このかぼちゃは、繊維質が多く、とても食べられたものではありません。では、何に使うかと言えば、カボチャのランタン(=Jack-o’-lantern:提灯)用です。そしてハロウィンコーナーも現れて、お化けのコスチュームや小道具など実にいろいろなグッズが売られています。日本でも最近はアメリカなどの影響で、ショーウィンドウに”ハロウィンHalloween”のデコレーションを施した店も増えてきました。そのハロウィンは毎年10月31日です。
ハロウィンとは、キリスト教の聖人を祝う万聖節(All Saint’s Day=11月1日)の前夜祭のことで、今ではアメリカの行事の感すらありますが、もともとは紀元前からイギリスに住んでいたケルト人の宗教的行事です。ハロウィンの日には、死者の魂が墓場から抜けだして、生前の家に帰ると言われていたそうですから、日本でいうところのお盆のようなものでしょう。
その死者の霊を恐れた人々が、夜外出するときは自分もおばけのコスチュームに身を包んだということが習わしとなって引き継がれ、現在では、子どもたちが、ドラキュラ・かかし・魔法使いなど思い思いのコスチュームに身を包んで、カボチャのランタン(=Jack-o’-lantern:提灯)を持ち、”Trick or Treat”(トリック、オア、トリート=お菓子をくれないと、いたずらするよ)と言って、近所の家々をまわるのです
ですから、各家庭では、その回ってくる子供たちのために、お菓子を用意しておきます。
お店のお菓子コーナーでもハロウィン用のものが並び、例えば魔女が魔法を作るために必要な昆虫類(Creepy Crawly:クリーピー・クローリー)など、実物そっくりな、とてもグロテスクなお菓子も、たくさんあります。
ハロウィン・パーティも盛んに行われていますが、伝統的なゲームとしては、水を張ったバケツやたらいに浮べたリンゴを、歯や口を使って拾い上げるアップル・ボビングなどが、パーティを盛り上げます。
またパーティ・フードでは、適当な枚数の小銭をホイルに包んで、具に混ぜ入れて焼き上げるパイなどがあります。
(2007/10/28、29の記事を再編集)