アンティーク/ レストアのご紹介 1.チェア(2)
今回ご紹介する椅子は、オーク材で作られた4脚セットのダイニング・チェアです。
4脚とも全くがたつきが無く、非常に良いコンディションでしたが、そのうちの1脚のスプリングが飛び出した状態でしたので、張替えをすることにしました。
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ドロップ・イン・シートと呼ばれるシートで、その部分だけ取り外すことができます。まず、裏部分のCalico(カリコ)と呼ばれる布をはずします。
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この状態で、Webbing(ウェビング)をやり直したことがあった形跡がわかります。また、スプリングを使った張り方であることもわかります。
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仕上げ生地の、すぐ下に敷かれているのが、このCotton Felt(コットン・フェルト)と呼ばれるもので、すわり心地を良くするものです。
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その下には、ココナッツ・ファイバーが詰め物として入っていました。実は、この部分をあけるときが、一番うきうきする時なのです。というのも、ホース・ヘアが入っていれば「大当たり」みたいな感覚とでも言いましょうか?それほどホース・ヘアは貴重なのです。
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そしてその下はHessian(ヘッション)と呼ばれる上質のジュートを平織りにした厚地の布です。
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そしてコイル・スプリングが3個で、その下が、一番下の部分になるWebbing(ウェビング)で、たて・よこに3本づつ張られていましたが、他のすべての椅子のこのウェビングもゆるゆるの状態でした。これらの順番を逆にやり直していけばレストアの完成です。単純といっても張り方のコツをつかむには、かなり修行が必要ですが・・
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ということで背もたれ部分と座面部分を張替え、木枠部分をレストアしなおして完成したのがこの椅子です。
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