時代様式 エドワーディアン 1901-1914年


時代様式 エドワーディアン 1901-1914年

新しい世紀が始まった1901年,ヨーロッパは第一次世界大戦までの限られた自由と繁栄を謳歌していました.フランスで言う「ベル・エポック」(良い時代)です.
英国では1901年,エドワード7世が国王に即位します.御歳60.
60歳のプリンス・オブ・ウェールズが国王に即位というのは,
英国王室史上でも最高でした.これは先王のヴィクトリアの
在位期間が非常に長かったためです.逆にエドワード7世の
在位期間はわずか10年.1910年に亡くなっています.
ただ,その4年後には第1次世界大戦という巨大な事件があり,
時代が全く変わってしまうので,1901年から第1次大戦の始まる
1914年までを一括りにしてエドワーディアンと呼んでいます.
国王としてヴィクトリアとエドワード7世が対照的なように,
ヴィクトリアンとエドワーディアンの世相も対照的です.
ヴィクトリアが謹厳重厚なら,エドワーディアンは
新しく始まったばかりの世紀を反映した,自由なものでした.
ただ,工芸品に関する時代様式としては,余り特徴はありません.
ヴィクトリアンがあり,そして,機能的なデザインのアール・デコの
走りもある,ちょうど中間に位置していると言えるかもしれません.