イギリスの話 ラウンドアバウト”Roundabout”
英国の道路は日本と同じく自動車が左側通行です。これは、かつての大英帝国の植民地であったオーストラリア、ニュージーランドなどでも同様です。ですので、英国で自動車を運転しても、ほとんど違和感がありません。が・・・、
恐らく、日本と英国の道路事情で最も大きく異なるのが「ラウンドアバウトRoundabout」という交差点の方式でしょう。
日本式に言えば「ロータリー」と言うのでしょうか?
時計回りの一方通行で、1重の場合もあれば2重、3重の場合もあるので、大きい「ラウンドアバウト」の場合、一旦入ってしまうと、慣れてない場合はなかなか出られないこともあるかもしれません。
出口が見つかるまで何回まわっても良いので、地図に不慣れな時は便利ですが、何回も回って目が回ることもあります。
ラウンドアバウトには基本的に信号機はありません。(ただし、モーターウェイの出口などの大きなラウンドアバウトには、信号機がある場合もあります。)
また、一旦停止する必要もありません。このため、無理なく、自然な流れに乗って交差点を通過することができます。日本の感覚からすると少し危ないように思われるかもしれませんが、ラウンドアバウトに侵入する際には自然と減速しますし、マナーも良いので少し慣れれば大丈夫です。また、結果的に無理な急停車、急発進がないため、空気の汚染も少なくなるような気がします。(但し、排気ガス規制は、日本と比べてかなり遅れていますが)。
しかし、渋滞時にはラウンドアバウトの中で流れが止まってしまうこともあり、渋滞でない道路にまで渋滞の影響が及んでしまうという短所があります。
また、小さいラウンドアバウトの場合、自分がラウンドアバウトに入ったことに気づかないことがあります。そうなると、周囲の確認がおろそかになってしまうため、大変危険です。加えて、普通自動車では問題ないのですが、大型車などでは円周をグルグル回るため、荷物のバランスが悪いと横転してしまう事もあります。
基本的にラウンドアバウトでは、すでに中に入っている自動車が優先されます。進行方向は時計回りですから、その結果として、右方向から左に向かっている車が優先されます。
しかし、この基本的なルールを知らないと大変なことになりかねません。
以前、日本からいらした方で、「英国で是非運転をしてみたい」と言われるので、運転していただいたことがあります。何気なく「次のラウンドアバウトを右の出口で出てください」とナビしたのですが、日本の交差点と錯覚されたのか、ラウンドアバウトを右方向(反時計回り)に曲がって「右の出口」に向かわれたので、心臓が止まる思いがしました。たまたま、他の自動車もなく、Uターンして事なきを得ましたが、念を押しておくべきでした。
慣れるとラウンドアバウトはとても楽なのですが、日本で導入しても上手くいかないかもしれません。英国では、人も自動車もすぐ道を譲ってくれるので、ラウンドアバウトもスムーズに流れる気がします。
ミニ ラウンドアバウト
普通のラウンドアバウトの中は、普通の芝生又は植物などが植えてあります。極端な例だと、サウザンプトン(Southampton)、市内にあるラウンドアバウトの敷地内に、大型ホテルが建設されたこともあります。
その対極にあるのが、「ミニ ラウンドアバウト」です。これは、信号を取り付けたり、ラウンドアバウトを作るだけの充分な敷地がない市街地、あるいは小さな町や村で取り入れられている方式です。
具体的には写真のように、ラウンドアバウトとは言え、単に白塗りの円が描かれているだけのものです。しかし、それでも進入方法は通常のラウンドアバウトと同様で、その白い円の円周を走らなくてはなりません。(そうすることが物理的に不可能な大型車両は除かれますが。)
やはり、スペースが狭いため、すばやく運転操作をすることと、指示器を出すタイミングに気をつけなければなりません。
また通常のラウンドアバウトと同様に、このミニ ラウンドアバウト内でUターンする車両があることも覚えておかなければなりません。
ダブル ラウンドアバウト
この左の標識のような、ダブル(めがね状)やトリプル(3つ団子の付いた串団子状)のラウンドアバウトもあります。一見、複雑そうですが、基本的には通常のラウンドアバウトと同じです。
左の図の場合は、青い車も、赤い車も、同じ方向へ出ようとしていますから、青い車のほうが優先で、赤い車は青い車に道を譲らなけれ
ばなりません。このように入り方も、1つずつのラウンドアバウトを独立したものと考えて入ります。
マジック ラウンドアバウト
ウィンチェスターから北西に50マイル(車で約1時間)、あるいはロンドンからだと西に80マイル(車で1時間50分)ほどのところに、スィンドン(Swindon)という町があります。
そのスィンドンSwindonという町には、他では見たこともないようなラウンドアバウトがあります。「マジック ラウンドアバウト」と呼ばれていて、巨大なラウンドアバウトの中に、5つのミニ ラウンドアバウトがあるのです。
写真のように、複雑この上ないラウンドアバウトです。どこに行きたいかさえわかれば、普通のラウンドアバウトと同じなのですが、雪が降って、路上が真っ白になった日には、一体どうなることでしょうね。
ところで、このスィンドンにはホンダの工場がある為、日本人も数百人住んでおり、コッツウォルドストーンでつくられたマナーハウスを改造して作られたStanton House Hotelでは、日本食を食べたり買ったりすることもできます。(英国ホンダの前社長様には、いつも懇意にしていただいております-この場で、お礼を言わせていただきます)。街の中心街からすぐの所に昔の列車の車庫を改造したアウトレットモール(バーバリー、ポール・スミスなどが入っています)があり、ショッピングも楽しめます。
イギリスの話 ラウンドアバウト”Roundabout”
ですので、英国で自動車を運転しても、ほとんど違和感がありません。が・・・、
恐らく、日本と英国の道路事情で最も大きく異なるのが「ラウンドアバウトRoundabout」という交差点の方式でしょう。日本式に言えば「ロータリー」と言うのでしょうか?
ですので、英国で自動車を運転しても、ほとんど違和感がありません。が・・・、
恐らく、日本と英国の道路事情で最も大きく異なるのが「ラウンドアバウトRoundabout」という交差点の方式でしょう。日本式に言えば「ロータリー」と言うのでしょうか?
時計回りの一方通行で、1重の場合もあれば2重、3重の場合もあるので、大きい「ラウンドアバウト」の場合、一旦入ってしまうと、慣れてない場合はなかなか出られないこともあるかもしれません。出口が見つかるまで何回まわっても良いので、地図に不慣れな時は便利ですが、何回も回って目が回ることもあります。
ラウンドアバウトには基本的に信号機はありません。(ただし、モーターウェイの出口などの大きなラウンドアバウトには、信号機がある場合もあります。)また、一旦停止する必要もありません。このため、無理なく、自然な流れに乗って交差点を通過することができます。日本の感覚からすると少し危ないように思われるかもしれませんが、ラウンドアバウトに侵入する際には自然と減速しますし、マナーも良いので少し慣れれば大丈夫です。また、結果的に無理な急停車、急発進がないため、空気の汚染も少なくなるような気がします。(但し、排気ガス規制は、日本と比べてかなり遅れていますが)。
しかし、渋滞時にはラウンドアバウトの中で流れが止まってしまうこともあり、渋滞でない道路にまで渋滞の影響が及んでしまうという短所があります。また、小さいラウンドアバウトの場合、自分がラウンドアバウトに入ったことに気づかないことがあります。そうなると、周囲の確認がおろそかになってしまうため、大変危険です。加えて、普通自動車では問題ないのですが、大型車などでは円周をグルグル回るため、荷物のバランスが悪いと横転してしまう事もあります。
基本的にラウンドアバウトでは、すでに中に入っている自動車が優先されます。進行方向は時計回りですから、その結果として、右方向から左に向かっている車が優先されます。しかし、この基本的なルールを知らないと大変なことになりかねません。以前、日本からいらした方で、「英国で是非運転をしてみたい」と言われるので、運転していただいたことがあります。何気なく「次のラウンドアバウトを右の出口で出てください」とナビしたのですが、日本の交差点と錯覚されたのか、ラウンドアバウトを右方向(反時計回り)に曲がって「右の出口」に向かわれたので、心臓が止まる思いがしました。たまたま、他の自動車もなく、Uターンして事なきを得ましたが、念を押しておくべきでした。
慣れるとラウンドアバウトはとても楽なのですが、日本で導入しても上手くいかないかもしれません。英国では、人も自動車もすぐ道を譲ってくれるので、ラウンドアバウトもスムーズに流れる気がします。
ミニ ラウンドアバウト
普通のラウンドアバウトの中は、普通の芝生又は植物などが植えてあります。極端な例だと、サウザンプトン(Southampton)、市内にあるラウンドアバウトの敷地内に、大型ホテルが建設されたこともあります。
その対極にあるのが、「ミニ ラウンドアバウト」です。これは、信号を取り付けたり、ラウンドアバウトを作るだけの充分な敷地がない市街地、あるいは小さな町や村で取り入れられている方式です。具体的には写真のように、ラウンドアバウトとは言え、単に白塗りの円が描かれているだけのものです。しかし、それでも進入方法は通常のラウンドアバウトと同様で、その白い円の円周を走らなくてはなりません。(そうすることが物理的に不可能な大型車両は除かれますが。)
やはり、スペースが狭いため、すばやく運転操作をすることと、指示器を出すタイミングに気をつけなければなりません。また通常のラウンドアバウトと同様に、このミニ ラウンドアバウト内でUターンする車両があることも覚えておかなければなりません。
ダブル ラウンドアバウト
この左の標識のような、ダブル(めがね状)やトリプル(3つ団子の付いた串団子状)のラウンドアバウトもあります。一見、複雑そうですが、基本的には通常のラウンドアバウトと同じです。
左の図の場合は、青い車も、赤い車も、同じ方向へ出ようとしていますから、青い車のほうが優先で、赤い車は青い車に道を譲らなければなりません。このように入り方も、1つずつのラウンドアバウトを独立したものと考えて入ります。
マジック ラウンドアバウト
ところで、このスィンドンにはホンダの工場がある為、日本人も数百人住んでおり、コッツウォルドストーンでつくられたマナーハウスを改造して作られたStanton House Hotelでは、日本食を食べたり買ったりすることもできます。(英国ホンダの前社長様には、いつも懇意にしていただいております-この場で、お礼を言わせていただきます)。街の中心街からすぐの所に昔の列車の車庫を改造したアウトレットモール(バーバリー、ポール・スミスなどが入っています)があり、ショッピングも楽しめます。