英国の自動車ナンバープレート


英国の自動車ナンバープレート

 


英国のナンバープレート販売中
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英国の自動車の歴史は古く、産業革命後の1800年代半ばには自動車が登場しています。1903年に自動車法(Motor Car Act)が作られ、1904年に、警笛とナンバープレート(自動車標板)も義務づけられました。初めてナンバープレート制度が導入されたのは義務化に先立つ1903年でしたが、その最初のプレート・ナンバーは”A1”でした。この”A”は登録地を表わしており、具体的にはロンドンを示しています。その後、アルファベット2つと数字4桁のフォーマットになりましたが、その組み合わせは1927年で使い果たしてしまいました。そこで、アルファベット3文字(“AAA”はハンプシャーでの登録を表す)+数字3桁の組み合わせとなります。しかし、それも1950年代には使い果たしてしまいます。

1963~1982

そこで1963年に新しい方式が導入されました。まず、従来通り、登録した場所を表すアルファベット3つと3桁の数字が組み合わせられます。そして、その末尾に年式を表すアルファベットが加えられたのです。これをSuffix seriesといいます。具体的には、1963年のナンバープレートは「A」で、その翌年以降つまり1964年はB、1965年はC、・・・というように続いていきます。
しかし、この制度によって思わぬ影響が出てしまいました。自動車の購入月に変化が生じたのです。なぜなら、車の年式がナンバープレートによって他人に知れてしまうため、年末に車を買う人はほとんどいなくなり、逆に年明けの1月に購入・登録が集中してしまいました。つまり、どうせ車を買うなら新しい年式のナンバープレートのほうが良い、というわけです。もっと切実なのは、もし12月に新車を購入したとしても、わずか一カ月で一年落ちとなってしまうことでした。そうなると1月に新車売上が集中した一方、12月の販売がほとんど無くなってしまったことにも納得がいきます。結局、1967年からは年度の切替が8月に変更されました。恐らく、年間で最も売上高が低かった月が8月だったのでしょう。これ以降、英国では自動車新車販売のピークが8月になりました。
また、ナンバープレートの色ですが、1963年から1973年までは黒のプレートに白またはシルバーの文字、1974年以降は自動車のフロントにつくプレートが白で、リアが黄色でした。
最終的に、このSuffix seriesは1982年にアルファベットが一回りしたところで終わりました。

1983~2001.8

翌1983年8月から、それまでナンバー末尾に付けられていた登録年度を表すアルファベットが、ナンバーの先頭に付けられることになりました。これをPrefix seriesといいます。具体的に1983年の場合、アルファベットの最初の文字である「A」(A-Reg=Aレジと呼ぶ)が、ナンバーの先頭に付けられました。


さて、1967年以降、英国での新車販売は年度更新前の8月に集中していましたが、1998年に新車登録の年度切り替え時期が3月に変更されました。加えて、新車の販売時期を分散させるために、区切りが年1回から年2回に増えました。これに伴い、登録年を表すために2文字のアルファベットが使われるようになりました。たとえば、2000年前期は“W”,2000年後期は“X”,そして2001年前期が“Y”というようにです。ただし、数字と紛らわしい“I”、“O”、“U”、“Z”の4文字は使われません。また、キット・カーなど年式不明の車輌には“Q”が用いられることから、実際に使われるアルファベットは22文字になります。

2001.9~

アルファベットでは文字数が限られているため、2001年度9月(後期)からは、アルファベットに代わって数字が使われることになりました。この場合、左から2桁目の数字は西暦の下一桁目を意味します。次に、左から1桁目の数字は基本的に前期/後期を示すために使われますが、西暦の下2桁目との組み合わせで数字が決まります。例えば、2001年から2009年までの間だと、左から1桁目の数字が「0」ならば前期(3月)、数字の「5」ならば後期(9月)であることを示します。そして、左から2桁目の数字は西暦の一桁目を示しますから、例えば“51”は2001年後期登録、“03”は2003年前期登録 “56”は2006年後期登録となります。
続いて、2010年からは、左から一桁目は前期ならば数字の「1(=0+1)」、後期ならば数字の「6(=5+1)」となるので、2010年代の前期は「10~19」、同じく後期は「60~69」という数字になります。更に2020年代ならば、前期は「20~29」、後期は「70~79」となります。

cherished transfer

英国では、一度登録したナンバーを買い取って、自分の車に取り付けることがでます。その登録移動のことを、英語ではcherished transferと言います。これは、運転免許証や自動車標板などを統括する英国政府機関のDVLA(Driver and Vehicle Licensing Agency)が取り入れている制度で、一般的にそのナンバーは、“スペシャル・ナンバー” または “プライベート・ナンバー”と呼ばれています。

1903年に登録制度が始まって以来、一度登録され、かつ廃棄処分されていない番号(つまり登録代金を支払って、維持され続けている番号)ならば、そのナンバーを使い続けることができます。ただし、車を乗り換える度に登録が必要である点は変わりありません。また、そのようなナンバーが売りに出されていれば買い取ることもできます。
なぜ、わざわざそのようなナンバーが求められるかですが、一つには自分の名前やイニシャルをナンバーにしたい場合が考えられます。また、1963年以前、つまりSuffix シリーズ導入前のナンバーならば、登録年をナンバーから推測することができません。このため、特にSuffix シリーズより前のナンバーは人気があり、高値で取引されるようです。
人気のあるプレミアつきのナンバーなどは、家を買えるくらいの金額の場合もあります。例えば、2006年6月、英国北部のヨークシャー(Yorkshire)で「M1」のナンバープレートが£331,500 (約8000万円)で取引されました。また、石油王国アブダビでは、今年の5月に数字1けたの自動車のナンバープレートがオークションにかけられ、2520万ディルハム(約8億2400万円)で落札されそうです。これは、ナンバープレートの取引額としては世界最高値となりました。
なお、女王陛下は公務用に2台のBentleysベントレー、3台のRolls-Roycesロールス・ロイス、そして、3台のダイムラーの計8台のリムジンを所有しています。そのうちの公用のベントレーとロールスロイスには、ナンバー・プレートがないそうです。

過去のナンバリングは、実はもっと複雑

英国の自動車ナンバープレートの登録制度は1904年に始まりました。そして、1963年以降、年式登録制度に変更されました。その間の1904年~1963年の間は更に、1932年以前と以後の2つに大きく分けられます。
1904年から1932年までの登録番号は「A1」~「YY9999」で、1932年から1963年までは「AAA1」~「YYY999」となっています。また、1950年代には、その組み合わせも、使い切られたため、1904年から1932年まで使われた組み合わせの逆の「1AAA」~「999YYY」も用いられました。しかし、それも10年間で使い切られたので、それまでに使われていなかった「1A」~「9999YY」など4数字と1~2文字の組み合わせなども用いられました。
このため、様々なアルファベットと数字の組み合わせが使われました。そして、その組み合わせの中でも意味がありそうなものについては、先のcherished transferによって、維持されています。


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英国の自動車の歴史は古く、産業革命後の1800年代半ばには自動車が登場しています。1903年に自動車法(Motor Car Act)が作られ、1904年に、警笛とナンバープレート(自動車標板)も義務づけられました。初めてナンバープレート制度が導入されたのは義務化に先立つ1903年でしたが、その最初のプレート・ナンバーは”A1”でした。この”A”は登録地を表わしており、具体的にはロンドンを示しています。その後、アルファベット2つと数字4桁のフォーマットになりましたが、その組み合わせは1927年で使い果たしてしまいました。そこで、アルファベット3文字(“AAA”はハンプシャーでの登録を表す)+数字3桁の組み合わせとなります。しかし、それも1950年代には使い果たしてしまいます。


1963~1982

そこで1963年に新しい方式が導入されました。まず、従来通り、登録した場所を表すアルファベット3つと3桁の数字が組み合わせられます。そして、その末尾に年式を表すアルファベットが加えられたのです。これをSuffix seriesといいます。具体的には、1963年のナンバープレートは「A」で、その翌年以降つまり1964年はB、1965年はC、・・・というように続いていきます。
しかし、この制度によって思わぬ影響が出てしまいました。自動車の購入月に変化が生じたのです。なぜなら、車の年式がナンバープレートによって他人に知れてしまうため、年末に車を買う人はほとんどいなくなり、逆に年明けの1月に購入・登録が集中してしまいました。つまり、どうせ車を買うなら新しい年式のナンバープレートのほうが良い、というわけです。もっと切実なのは、もし12月に新車を購入したとしても、わずか一カ月で一年落ちとなってしまうことでした。そうなると1月に新車売上が集中した一方、12月の販売がほとんど無くなってしまったことにも納得がいきます。結局、1967年からは年度の切替が8月に変更されました。恐らく、年間で最も売上高が低かった月が8月だったのでしょう。これ以降、英国では自動車新車販売のピークが8月になりました。
また、ナンバープレートの色ですが、1963年から1973年までは黒のプレートに白またはシルバーの文字、1974年以降は自動車のフロントにつくプレートが白で、リアが黄色でした。
最終的に、このSuffix seriesは1982年にアルファベットが一回りしたところで終わりました。


1983~2001.8

翌1983年8月から、それまでナンバー末尾に付けられていた登録年度を表すアルファベットが、ナンバーの先頭に付けられることになりました。これをPrefix seriesといいます。具体的に1983年の場合、アルファベットの最初の文字である「A」(A-Reg=Aレジと呼ぶ)が、ナンバーの先頭に付けられました。

さて、1967年以降、英国での新車販売は年度更新前の8月に集中していましたが、1998年に新車登録の年度切り替え時期が3月に変更されました。加えて、新車の販売時期を分散させるために、区切りが年1回から年2回に増えました。これに伴い、登録年を表すために2文字のアルファベットが使われるようになりました。たとえば、2000年前期は“W”,2000年後期は“X”,そして2001年前期が“Y”というようにです。ただし、数字と紛らわしい“I”、“O”、“U”、“Z”の4文字は使われません。また、キット・カーなど年式不明の車輌には“Q”が用いられることから、実際に使われるアルファベットは22文字になります。


 2001.9~

アルファベットでは文字数が限られているため、2001年度9月(後期)からは、アルファベットに代わって数字が使われることになりました。この場合、左から2桁目の数字は西暦の下一桁目を意味します。次に、左から1桁目の数字は基本的に前期/後期を示すために使われますが、西暦の下2桁目との組み合わせで数字が決まります。例えば、2001年から2009年までの間だと、左から1桁目の数字が「0」ならば前期(3月)、数字の「5」ならば後期(9月)であることを示します。そして、左から2桁目の数字は西暦の一桁目を示しますから、例えば“51”は2001年後期登録、“03”は2003年前期登録 “56”は2006年後期登録となります。
続いて、2010年からは、左から一桁目は前期ならば数字の「1(=0+1)」、後期ならば数字の「6(=5+1)」となるので、2010年代の前期は「10~19」、同じく後期は「60~69」という数字になります。更に2020年代ならば、前期は「20~29」、後期は「70~79」となります。


Cherished Transfer

英国では、一度登録したナンバーを買い取って、自分の車に取り付けることがでます。その登録移動のことを、英語ではcherished transferと言います。これは、運転免許証や自動車標板などを統括する英国政府機関のDVLA(Driver and Vehicle Licensing Agency)が取り入れている制度で、一般的にそのナンバーは、“スペシャル・ナンバー” または “プライベート・ナンバー”と呼ばれています。

1903年に登録制度が始まって以来、一度登録され、かつ廃棄処分されていない番号(つまり登録代金を支払って、維持され続けている番号)ならば、そのナンバーを使い続けることができます。ただし、車を乗り換える度に登録が必要である点は変わりありません。また、そのようなナンバーが売りに出されていれば買い取ることもできます。
なぜ、わざわざそのようなナンバーが求められるかですが、一つには自分の名前やイニシャルをナンバーにしたい場合が考えられます。また、1963年以前、つまりSuffix シリーズ導入前のナンバーならば、登録年をナンバーから推測することができません。このため、特にSuffix シリーズより前のナンバーは人気があり、高値で取引されるようです。
人気のあるプレミアつきのナンバーなどは、家を買えるくらいの金額の場合もあります。例えば、2006年6月、英国北部のヨークシャー(Yorkshire)で「M1」のナンバープレートが£331,500 (約8000万円)で取引されました。また、石油王国アブダビでは、今年の5月に数字1けたの自動車のナンバープレートがオークションにかけられ、2520万ディルハム(約8億2400万円)で落札されそうです。これは、ナンバープレートの取引額としては世界最高値となりました。
なお、女王陛下は公務用に2台のBentleysベントレー、3台のRolls-Roycesロールス・ロイス、そして、3台のダイムラーの計8台のリムジンを所有しています。そのうちの公用のベントレーとロールスロイスには、ナンバー・プレートがないそうです。


過去のナンバリングは、実はもっと複雑

英国の自動車ナンバープレートの登録制度は1904年に始まりました。そして、1963年以降、年式登録制度に変更されました。その間の1904年~1963年の間は更に、1932年以前と以後の2つに大きく分けられます。
1904年から1932年までの登録番号は「A1」~「YY9999」で、1932年から1963年までは「AAA1」~「YYY999」となっています。また、1950年代には、その組み合わせも、使い切られたため、1904年から1932年まで使われた組み合わせの逆の「1AAA」~「999YYY」も用いられました。しかし、それも10年間で使い切られたので、それまでに使われていなかった「1A」~「9999YY」など4数字と1~2文字の組み合わせなども用いられました。
このため、様々なアルファベットと数字の組み合わせが使われました。そして、その組み合わせの中でも意味がありそうなものについては、先のcherished transferによって、維持されています。


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